最近では、身近で故人を偲びたいという考えから、仏壇や厨子をリビングに置くケースが増えてきました。 そのため、仏壇のイメージを払拭した、家具調あるいはモダンスタイルの祈りの家具が主流となっています。 特に今回は、壁の中にすっぽり入ってしまい、出っ張りがないタイプの厨子(小型仏壇)を製作しました。
新築のA宅。 三世代、家族を大切にするご家庭で、出来たらダイニングに仏壇を置きたい。 違和感のない家具調がいいが、仏壇の存在が気になる。 そこで、ニッチ(壁をくり抜いた場所)に収納する仏壇を提案しました。
代々の御位牌と仏像を納めるので、サイズは通常の仏壇サイズ(間口60・高さ75・奥行40cm)を御希望。 普段はオープンにしておくため、扉はどこかに収納出来ると良い。 過去帳、数珠、線香などを収納出来る、抽出が必要。
その結果、吉蔵が創作した「壁面収納仏壇」。 内部は、下から抽出・須弥壇(下台)・港型須弥壇(上台)、仏像の台座と階段状。 上からは格子の幕板が下り、仏像を守る。 そして、扉は「吉蔵」オリジナルの、両サイドへ収納してしまうタイプを使用。 材料は、銘木「縞黒檀」を使用しました。
普段は家族と共にある仏壇。 来客などその時の都合により扉を閉じると、まったく壁収納の一部に。 イスに腰掛けた時、仏像を見上げる目線となる高さを意識して、床から90cmの位置。 ご先祖さまが、いつでも家族の会話に加わっているように、工夫された仏壇です。
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