家具おもしろ話(吉蔵オーナーコラム)

2018.10.26

the most expensive wood in the world (島桑のこと)

先日、吉蔵HPにお客様から問い合わせがありました。

「島桑材無垢、摺りうるしで仕上げた、和風の姿見が欲しい。」

こういうお問い合わせに20年前ならお答えできたと思いますが、
残念ながら現在、島桑材は途方もない価格となっています。

そこで、お客様に和家具製作の過去と現状をお知らせしました。
以下、メールでご連絡した内容です。

  
島桑無垢材の姿見は嘗て、東京の指物職人Oさんが制作していました。
静岡では島桑無垢材の姿見を作る職人さんはいませんでした。
その代わりキハダ無垢材ですが、指物仕事のしっかりした
和風の姿見を専門に製作していた職人Aさんが、静岡におりました。

20台位をまとめて製作するので、
価格もとても安く、たぶん当時5~10万円以内で百貨店などで
購入できたと思います。
私共はその姿見を基本に、島桑など他の材でも製作しておりました。

   

(画像は吉蔵が制作した島桑の姿見、座鏡台です。)


姿見専門職人、針箱専門職人、和茶棚専門職人など、
この職人さんなら間違いないという人がバブル以前にはたくさんいました。
高度成長で生産性を上げるため、手仕事はどんどん機械化されていきました。
その結果、同じような個性のない家具がたくさん出来てしまいました。

また、東京の台東区には手仕事の和家具を専門に扱う問屋さんが幾つかあって、
島桑指物や桐箪笥など、丁寧な仕事をした和家具がたくさんありました。
しかし、高級家具を真っ先に展示していたデパートから家具が消え、
問屋さんもほとんど無くなってしまいました。



弊社はわずかな職人(3名)で、最近は厨子仏壇など、
比較的手の込んだ指物家具を製作しております。
お問合せの姿見も製作した経験がありご要望を伺うことは出来ますが、
何分職人さんの工賃が以前に比べ高額になっています。

加えて本州の桑は流通に乗るのですが、三宅島御蔵島の桑の材は
滅多にお目に掛かることがありません。
先日も東京の材木商から頂いた島桑材の価格が以下のとおりです。

長さ1650mm×幅250~340mm×厚さ95mm  の島桑材盤  400,000円

立米(1立方メートル) 8,500,000円 という想像を絶する値段です。

以上のように、折角和家具に関心をお持ちのお客様から
お問い合せを頂いても、充分なお答えが出来ません。

今回はご要望にお答え出来ませんが、
どうぞ、ご不明な点がございましたら、何なりとお問い合せ下さいませ。

・・・・とご返事いたしました。

もちろん、現在も「吉蔵」への島桑製品のご要望も多く、
例えば、最近では下記のような和ダンスのご注文を頂き製作いたしました。



そのお話はまた、次回に。

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