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家具おもしろ話(吉蔵オーナーブログ)

2017.09.29

厨子職人最高の逸品・八角厨子(夢殿型)登場!

素晴らしい厨子が出来上がりました。
八角形をした屋根のある八面体厨子、夢殿型。
法隆寺の夢殿を模した、たいへん人気のある伝統的な厨子です。


八角厨子(夢殿型)
サイズ・間口22×奥行22×高さ39cm
内寸・間口14×奥行14×高さ24cm
材質・国産欅(けやき)材
塗装・摺り漆
価格・260,000円(消費税別)

数十年もの間、私の父の代から我が社の家具の製作を担当してくれている職人N氏。
もう大分前、彼がこつこつと時間の合間になにやら厨子を製作しているようでした。

「こういう厨子を作ってみたよ。どうだろう?」
彼が示した厨子は、高さ40cmに満たない、伝統的な八角小厨子。
私は新しいタイプの厨子に夢中で、当初はそれ程魅力を感じませんでした。

ところが、素朴な「欅小厨子」と同様、
展示会で展示するとたいへん注目され、話題になりました。
それもそのはず、知り合いの腕のいい工芸家の多くが、夢殿型の厨子を作っているのです。
前田南斎氏の名品「島桑八角夢殿厨子」(佐野美術館蔵)を筆頭に、
いくつかの八角厨子を見て、私もだんだんその姿に魅了されていきました。


さて、今回再登場した弊社の八角厨子。
いくつかの改良を加て、完成度の高い厨子に仕上がりました。

  

 ・ゆったりと仏像やたいせつな品を納める事が出来るよう、高さを3cm高くしました。
そして、間延びすることのないよう、上部に透かしの幕板を設けてあります。 

  

 ・出来るだけ木のよさを生かすため、金物の丁番を止め、木製の軸づりを使用しました。
残念ながら、木部は良くても金具がお粗末で、不釣り合いの厨子をよく見かけます。

・もちろん、屋根は一枚板。ここがN氏が独自の技術で開発した、最高の見所です。
厚さ7cmの欅の板を、型板を作ってくり抜いていくのです。
八角の屋根が生まれるなんて、想像できない型板のかたちなので、びっくり。
擬宝珠(ぎぼし)を中心に渦を巻いて流れる欅の木目は、めったにない貴重品です。

・天を指す擬宝珠は、専門の刳り物師が製作したため、たいへん納まりよく調和してます。
欅材に最も相応しい摺り漆の仕上げ、こちらも専門の塗師にお願いしました。

先日のギフトショーに初お目見え。
今風の「掌(たなごころ)厨子」と対極的な、伝統工芸品「八角厨子」。
ブースに並ぶ厨子の中でも、ひときわ目に付き、好評でした

2017.09.11

深沢直人 はじめての個展「ANBIENT」へ

東京出張2日目。
午前中、賑やかなギフトショーを視察した後は、
日本を代表するデザイナー「深沢直人」氏の展示会へ。

 

  「Ambient」ー深澤直人がデザインする生活の周囲展

<そのモノがあることによりその周囲にいい雰囲気が生まれる。>
をコンセプトとした深沢直人氏がデザインした
家具・家電・住宅設備・生活雑貨など、
約110点が9つの部屋に展示されています。

確かに目立ちすぎず、その場の空気に溶け込んでいく
洗練された氏の製品は、静かに心を落ち着かせてくれます。



 

 ・「10年ほど前、氏のデザインした「厨子」を見て、あまりにあっさりしているので、
  知り合いのデザイナーにその良さが分からないと尋ねたら、
  深沢氏のデザインが分かる人には分かると答えたこと。

・「氏の名作「ヒロシマ」を知らなかった頃、家具好きな知人が実物を見るため
  わざわざ東京まで行き、椅子を購入したこと。

・静岡市呉服町にあるお洒落なコミュニケーションスペース「d-labo 静岡」は
 「ヒロシマ」はじめ深沢氏のインテリアが配置されていること。

などが思い浮かびます。

 会場では写真撮影が許可されていました。
10月1日まで東京・パナソニック 汐留ミュージアムにて。

2017.09.02

自分の葬式は必要か?仏壇は?

朝日新聞朝刊9/2に「自分の葬式は必要ですか?」
というアンケートの記事がありました。

はい 44%
いいえ 56%

と、拮抗していますが、私の場合は・・・
自分はいなくなってしまうのでどちらでも良いのですが、
自分の親族が亡くなった場合や遺族のことを考えると、
「はい」と答えると思います。



人が亡くなることは精神的にかなりの負担になると思うので、
一つの区切りとして先人が設けた知恵としての儀式なのでは、
と今は思っています。
もちろん「はい」の方々も簡素、簡略化が主流で、
どんなカタチにするかは家族で相談し決めることですが。

このように故人を送る方法と同様、
故人を偲ぶかたち (仏壇etc) も急速に変化しています。
そのうち「仏壇は必要か?」
なんてアンケート記事が見られるかもしれませんね。

自分の仏壇は必要か?

・・・かどうかわかりませんが、
最近の流れとしては以下の傾向が見られます。

・コンパクト化した仏壇(厨子といった方がいいかも)が好まれる。
・家族代々とか家族全員が収められた仏壇から一人ひとり用の厨子へ。
・比較的大きく、仏像位牌などがたくさんある場合は
 サイズやデザインが自由に決められるオーダータイプの仏壇を選択する。

更にもうひとつ・・・
家具好き仲間で話をしていた時、
「故人を偲ぶとき、対面するより寄り添う方がいいね。」
と誰かが言いました。

・傍らに在って目立たず、けれど双方向でいられる「想う箱」

下の画像は最近納めさせて頂いた
ウォールナットのZUSHI KASHIKO(コンパクト型)と
珍しいメープルの上置きタイプの仏像(オーダー型)です。

吉蔵はそのどちらにも対応しております。

 

2016.11.01

気になるコースター

JR静岡駅駿府楽市で、若い二人のクラフトマンの家具の展示を見てきました。
OさんとUさん。
Oさんとはたびたびお会いすることがあるのですが、
Uさんとは面識がありませんでした。

ただ、店の人に聞くと、静岡の若手職人のなかでも技術もセンスも人柄も
とても評判が良く、有望株だそうです。

彼の作った製品を見て、なるほどと納得できました。
一言で言うと、創意工夫があり、しなやかな感覚があふれる、やさしい家具です。
夫婦で仕事をしているそうで、奥様の主婦目線がかなり盛り込まれているようです。

そんな彼が作った小物を買ってみました。
ローズウッドの「コースター」と「箸置き」。
とてもきれいに出来ていて、しかも安い。

その内のコースターに、ちょっとした遊びがありました。
濃紫のローズの板の端に、すーっと数ミリの白い「白太(しらた)」が入っている。

白太とは、木材の樹皮に近い周辺部の事で、
腐りやすく、虫が入りやすいので、取り除く場合が多いです。
しかし、この場合色のコントラストとして、わざわざ残してある。
もちろん彼には、赤味(木材の中心部)だけの、濃紫のコースターもあります。

白太の入ったコースターを買って、1日経ち、2日経ち。
どうもその白太が気になって仕方がありません。

伝統的な指物などの常識として、白太は取り除くもの、と教わってきました。
吉蔵が扱っている島桑材などは、当初は赤味も白太もほぼ同じ色なのですが、
赤味だけどんどんあめ色に濃くなっていくのに、白太は白いまま変わりません。
だから、数年も経つと白太の部分の色が抜けて、木が死んでいるように見えます。

木の皮に近い部分もそのままカタチに残したテーブルのトップ。
木の幹を輪切りにしたどっしりしたスツール。

そういう遊び心のあるデザインもいいと思います。
ただ、そこで必要とされるのが、見立て、識別眼、センス。
日本人は、そこに「粋」と「野暮」を判別する繊細な感性をもっている。

だから、本当はこういう事、恐いんです。
慎重にやらなければ、ならないのです。

2016.07.15

グッドデザイン(Gマーク)はお金がかかる。

ZUSHIカシコは我が工房の代表家具のひとつで、新鮮なデザインが特徴です。

静岡県のコンペで入選し、その勢いで日本のデザインの最高権威
2007年度Good Design賞(Gマーク取得)に挑戦しました。
     
 
第一次審査は書類によるノミネート商品の審査。 審査料は10,500円
それにパスしたので、次は現物による二次審査。
一次審査を通過した製品約3000点が東京ビッグサイトに展示され、
専門家によって入念に審査されます。
 
審査後は一般公開があるので、多くのデザイン愛好家が訪れ,その数は約5万人。
第二次審査料42,000円、展示スペース料18,900円、展示装飾料42,000円。
この審査を通過した商品がGood Design賞受賞(Gマーク製品)になります。
 
   
幸運にも、我がZUSHIカシコは二次審査も通過し、晴れてGマーク製品になりました。
がしかし、それで終わりではありません。
Gマーク製品を世にアピールしなければなりません。
 
  
商品などに付けるGマークシールが1セット10,500円。
2007年度Good Design賞受賞製品イヤーブック(写真右)への掲載料13,650円
以上、合計すると締めて137,550円。
さらにGマークを会社のカタログやHPなどに使用、宣伝に使うには
使用料を1年ごとに150,000円請求されます。
 
飛行機からクリップなど身の回りの物まで、
デザインがいいことに越したことはありませんが、
あまりにお金が掛かり過ぎて、我が社のような小さい企業には少々負担が多すぎました。
   

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